このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
「和敬清寂」に込めた利休の思い 千玄室(茶道裏千家前家元)
1.いま、心に響くのは利休が説いた「和敬(わけい)静寂(せいじゃく)」という言葉です。「和」は和み、「敬」はお互いを尊敬し合う、リスペクトする気持ちを持つこと。「清」とは心を清らかにする習慣です。人間の心は汚い。これを自分で収められるよう自己を修じなくてはいけません。修じるには祈りであるとか、お茶を点てるとか、そういうものを持つことが大事です。
2.最後の「寂」はウロウロするな、不動の信念を持って歩めということです。いま政治家でも経営者
でも、いいことは言うけれどもウロウロしてばかりでしょう。言というものがいかに大事か。私はそれを名僧・後藤瑞(ずい)巌(がん)老師に教えられました。「あんたのひと言が大事や。いい加減な言葉を使ったら四頭立ての馬車で追いかけても、追いつかんぞ」と。
(参考:「致知」2023 年5 月号)