耳より情報2023年5月 No.403

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

日本半導体凋落の40 年史から得た失敗の教訓 

1.日米半導体摩擦からの約40 年は、日本の半導体産業にとって、屈辱(くつじょく)の歴史である。当初こそ、米国による貿易規制の強化がつまずきの発端だったが、1990 年代以降は戦略ミスを繰り返し、国内半導体産業は凋落(ちょうらく)の一途をたどった。世界の半導体市場における日本企業のシェアは、ピーク時の88 年には50.3%とだったが、その後は坂道を転げ落ちるように低下し、2020 年は9.2%。見る影もない。 

2.「半導体敗戦」の原因は、日本企業の致命的ミスとして二つのことが挙げられる。第一に、自前主義に固執したこと。90 年代後半に国内企業は垂直統合型モデルから脱却できず、半導体の設計部門と製造部門を分離する「水平分業型モデル」への転換に乗り遅れた。当時、米国や台湾では、設計に特化したファブレス企業、製造に特化したファウンドリー(受託生産会社)が登場。 

3.日本陣営はこの潮流に完全に乗り遅れた。全ての業務を自社グループで行う安易なオペレーションを続けて、自社の得意分野を磨いていくことができなかった。第二に、80 年代のメモリーの成功体験に固執し、安易なリストラを繰り返したことだ。

(参考:「週刊ダイヤモンド」2023 年2 月25 日号) 

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