このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
未来投資を始める企業が増えてきた 冨山 和彦(経営共創基盤グループ会長)
1.日経平均株価は3 万円超えの株価水準は、まだまだ上がってもおかしくない。1 つは、もともとPBR1 倍割れの会社が東証がこの問題を言及したことで、さすがに反応する経営者が目立ってきた。もう1 つは、日本の大企業は儲からない事業をやりすぎていた。儲からない事業を抱え込んでいるから未来投資をできない。ところが、ソニーグループや日立製作所のように、事業ポートフォリオを変えてしっかり未来投資を始める企業が増えてきた。
2.東京エレクトロンは非常に高収益企業だ。あのぐらい稼がないと、イノベーション投資を続けられない。彼らはずっと投資をし続けたからこそ成長できた。経済界の主流のように「利益が上がらないのは長期的視点で投資をしているから」「日本型の経営が大切」等の言い訳をしていたら生き残れない。
3.観光や外食などのローカル産業もこれから賃金がどんどん上がっていく。評価されない中間管理職として居残るよりも、サービス業で生き生きと働いたほうが幸せ。そういう価値観の転換も必要になる。グローバルで戦える企業はそれほど多くない。
(参考:「週刊東洋経済」2023 年6 月17 日号)