No.899 営業ノルマを廃し、雨の日こそ傘を差し伸べる金融機関に    榊田隆之(京都信用金庫理事⾧) 

 

 

1, 成長型社会から一転して少子高齢化など様々な課題を抱えつつ社会がダウンサイジングしていく中、お金を融通することで地域経済を活性化する、という地域金融のあり方も変わりつつあります。活力が失われつつある地域の再活性化に向け、我々金融にはコミュニティー再生に向けた仲人として色々な方々をつなげるなど、人と人の関係性を整えていくことへの期待が寄せられています。 

2, 心の底からお客様に喜んでもらいたいという思いは、会社が強制的にやらせる労働からは生まれてきません。そこで私たちは2017年度から営業ノルマをなくしました。ノルマを廃止し、何をすればお客様に一番喜んでもらえるのかを各自が考えてもいい、逆に言えば考えなくてはいけないというルールに変えました。 

3, 京信の預金・融資残高はノルマをなくしてからも伸びています。ですが規模を追う考えはない。伸ばせたらいいですが、目的にはしません。それよりも私たちは雨が降る前からお客様と準備し、雨の日こそ傘を差し伸べる存在でありたいと思っています。

(参考:「日経ビジネス」2025 年10 月13 日号)

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