- 2022年4月29日
耳より情報2022年4月 No.203
非財務情報の開示度合いが企業を左右する 1.1月3日、米IT大手アップルの時価総額が3兆ドル(約340兆円)の大台を突破した。アップルの時価総額のうち、株主資本(株主が払い込んだお金と、これまでの利益の蓄積。総資産と総負債の差額)で説明できる部分はわずか2%しかない。残りの98%、320兆円以上の価値は決算書類のどこにも載っていないのだ。近年、時価総額のうち株主資本以外の部分は「非財務資本」(時価 […]
非財務情報の開示度合いが企業を左右する 1.1月3日、米IT大手アップルの時価総額が3兆ドル(約340兆円)の大台を突破した。アップルの時価総額のうち、株主資本(株主が払い込んだお金と、これまでの利益の蓄積。総資産と総負債の差額)で説明できる部分はわずか2%しかない。残りの98%、320兆円以上の価値は決算書類のどこにも載っていないのだ。近年、時価総額のうち株主資本以外の部分は「非財務資本」(時価 […]
学を廃すべからず(佐藤一斎) 1.禅の高僧・松原泰道氏は言う。「佐藤一斎が『言志晩録』の中で、例え視力や聴力が落ちても、見える限り、聴こえる限り、学を廃すべらず、と言っている。私も老いてきましたが、この言葉を糧として死ぬ間際まで読むこと、書くこと、話すことは続けていきたい」。2.安岡正篤師の高弟・伊與田覺(いよださとる)氏は言う。「東洋の老いは人間完成に向けた熟成期なのです。年を取るほど立派になり […]
中興の祖の3つの能力 1.1980年代までは伝説として語り継がれた中興の祖が数多く存在する。では失われた30年で、中興の祖と呼ぶに相応しい人物は誰か。そのリーダーたちは大きく3種類に分けられる。会社の危機を救い再建を果たした経営者。新たな事業を生み出し、会社や組織の姿を大きく変えた経営者。最後が、既存事業をベースに海外展開などで事業を拡大した経営者だ。「会社が置かれたフェーズに合わせて、3つの能力 […]
能率が良くなる (解説)能率が悪いということは職工が何かにある語ですが、職工ばかりでは無い。通常の事務を処する人でも、この時間にこれだけの事をするということを遅滞なく完全に遂げて行くことが出来ると、仕事は沢山に出来て来る。すなわち、能率が良くなる。事務においてもなおしかりと思う。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
大切なのは「部外者の視点」 鳥塚亮(えちごトキめき鉄道社長) 1.2019年から新潟県にある第3セクター、えちごトキめき鉄道(上越市)の社長を務めています。観光列車を走らせるだけではなく、普段は立ち入り禁止の車庫を巡るツアーとか、回送列車ツアーなどを企画しています。何に価値があるのかを発掘するのがポイントです。自分たちには当たり前の場所であっても、外の人にとってはワンダーランド(おとぎの国)だった […]
世界的な資源インフレでの企業の声(企業の7割が「経営に打撃」大手50社) 1.精密機械業…原油高と運送コストの上昇は、そう簡単には下がらず、この水準で固定する可能性が高い。国全体で賃上げを行って、同時に価格転嫁を進めるべきだ。2.建設業…資材コストの上昇局面は非常に難しい経営環境。3.食品業…低価格志向の強い食品を扱う当社にとって、コスト高の継続は経営状況に影響を与える。価格訴求ではなく価値訴求を […]
非財務情報の開示や充実の背景 伊藤邦雄(一橋大学CFO教育研究センター長) 1.機関投資家は気候変動関連のリスクや機会、人的資本など、非財務情報の開示や充実をますます求めるようになっている。その背景は大きく3つある。1つ目は会計の地殻変動だ。かつては最新の生産設備など、ピカピカの有形資産を持っていれば競争力が上がり、ひいては企業価値も高まった。ところが、1990年代後半以降、企業価値を高めるドライ […]
無駄な時間を費す (解説)我々が始終一殊に私などは、それについて恥入って、諸君にも始終迷惑をかけるが、この物の切(きり)盛(もり)のつかぬために無駄な時間を費す。これがどうも事物の進むほど注意せねばならぬことと思う。従ってこれが極端に行くと、能率が大変に悪くなる。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
花王製品を売り場から追放(オーケー) 1.2月3日、日用品大手、花王の2021年12月期決算会見が開催された。長谷部佳宏社長は原材料高騰を理由に、22年3月をめどに衣料用洗剤や柔軟剤、紙おむつなどの一部製品を値上げする方針を明らかにした。「業界でのリーダーシップを取り、あらゆる手段を尽くして値上げを行うつもりだ。できるだけ消費者の皆さまや流通の皆さまにご理解いただける形で、早期に取り組む」(長谷部 […]
死んでからも修行である 千玄室(茶道裏千家前家元、数え百歳) 1.私は復員してもう一度、最初から茶の稽古(けいこ)をやり直さないといけないと思って、ある時、父親に「道とは何ですか」と聞いたことがあるのです。そうしたら「死んでからも修行じゃ」と。なんで死んでからまで修行ができるのかその時は分からなかった。90歳くらいになった時に初めて「なるほどな。自分で選んで歩いてきた道が未完成であるのは当然や。私 […]