- 2022年2月19日
耳より情報2022年2月No.166
実行こそ人生のすべて(平澤興) 1.「百万の典経(てんきょう)、口下(げっか)の燈(ともしび)」一百万の経典を読んでも実行しなければ、お日さまの下で、ローソクを灯すようなもの、何の価値もない、の意。明治8年から25年まで鎌倉円覚寺の管長を務めた今北(いまきた)洪川(こうせん)の言葉である。洪川の人柄と禅風を慕(した)い、山岡鉄舟もそのもとに参禅している。2.「古(いにしえ)の道を聞いても唱えてもわ […]
実行こそ人生のすべて(平澤興) 1.「百万の典経(てんきょう)、口下(げっか)の燈(ともしび)」一百万の経典を読んでも実行しなければ、お日さまの下で、ローソクを灯すようなもの、何の価値もない、の意。明治8年から25年まで鎌倉円覚寺の管長を務めた今北(いまきた)洪川(こうせん)の言葉である。洪川の人柄と禅風を慕(した)い、山岡鉄舟もそのもとに参禅している。2.「古(いにしえ)の道を聞いても唱えてもわ […]
東証が企業統治指針に知財を盛り込んだ理由 1.日本製鉄とトヨタ自動車が争うのも知財なら、アップルの時価総額を倍増させているのも知財。知的財産(知財)は守るべき財であるのと同時に、攻めるための武器でもある。投資家による企業評価でも知財戦略が重視される今、経営者や知財担当者には何が求められているのか。2.2021年6月、上場企業に求められる企業統治の原則であるコーポレートガバナンス・コードを、東京証券 […]
意気地のない話 (解説)もっとも日本の文明は最近の発達で、しかも欧米諸国からの移植に負う所がすこぶる多いために、かつては欧化主義の流行に苦しみ、今もなおその余弊として、この舶来品愛重の勢いをなしておることと思われるけれども、維新以来早くも半世紀になろうとする今日、いつまで欧米心酔の夢を見ておるのであろう。実に意気地のない話である。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
老後を勝ち抜くためシニアには何が必要か 1.高齢化は公的年金の支給延長とともに雇用延長も招いた。かつて55歳だった定年は60歳に延長(1986年)。高齢者雇用安定法の改正(2000年)で、雇用は65歳まで、さらに2021年4月から70歳までの雇用が努力義務になった。2.再雇用に当たっての心がけ(第二の人生こそ初心に帰るべし)7ケ条(1)あいさつは自分から、(2)身だしなみには気を使う、(3)かつて […]
世界を和に導く茶道の精神性、哲学性 千玄室(茶道裏千家前家元) 1.国際問題に重要な役割を担っている国家が、長い間権力と持てる富で利己的な行動をとってきた。今日の世界はご承知のように、情報過多であり、多様性を重んじるがために憶測が憶測を呼び、利潤追求に走る東西南北が入り交じった様相を呈している。そのような中でも、文化的好みの共通性と相違性を知り、互いに得られるものを模索し合っている姿も垣間見られる […]
バブルの本質は「贈与」である 櫻川昌哉(慶応義塾大学経済学部教授) 1.バブルとは、期待によってのみ価値が支えられるいかにも怪しげな存在である。アダム・スミス以来伝統的に、経済学が念頭に置いてきたのは、価値が同じもの同士が等価で交換させる世界である。一方、バブル資産と財の交換は、当の本人の意識はどうであれ、冷めた目で財の流れを見ると、交換ではない。財の一方的供与、つまり贈与である。2.バブル経済の […]
外国品偏重の悪風 (解説)度々識者が力説する通り、我が国民の思想には忌むべき弊習がある。それは、すなわち外国品偏重の悪風である。外国品だからとて別段排斥する必要がないようにこれを偏重するのあまり内地品を卑下する理由もないはずである。しかるに舶来品といえば総て優秀なものばかりとの観念が、深く国民の上下に普及しているのは誠に慨嘆に堪えない。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
安住の地を捨てられるか 校條浩(東大卒、1991年にシリコンバレーに渡る) 1.日本企業がこれ以上、イノベーションで後れを取らず、衰退の道から抜けるためには、シリコンバレーの流儀の根底に流れるスピリットを学ぶことが重要だ。個別の技術やシリコンバレーのエコシステムの理解などはその後でいい。シリコンバレーに息づくこのスピリットの根っこを探ると、約150年前のフロンティアスピリット(開拓精神)にたどり着 […]
商人と実業家の違い 宮本又郎(大阪大学名誉教授) 1.日本は失われた30年といわれますが、特に目立つのがスタートアップの不振です。日本の起業率は極めて低いし、スタートアップする人を尊敬する割合も起業した人の満足度も低い。日本経済の停滞はここに起因すると私は見ています。今こそ起業家をサポートする文化やリスペクトする社会的風潮を取り戻すべきではないでしょうか。2.渋沢栄一の果たした役割として、江戸時代 […]
日本の電池は崖っぷちだが、25年以降を見据えよ 吉野彰(旭化成名誉フェロー、19年ノーベル化学賞受賞) 1.EV(電気自動車)化の大きな流れは間違いなく来ている。これまでEV大国は中国だったが、今はEU(欧州連合)が追い抜き、世界をリードしている。米国もバイデン政権に替わり、EV化に突き進んでいる。一方、日本の自動車業界はEV化慎重で、完全にガラパゴス状態だ。かつてはエコカーというとプリウスに象徴 […]