このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
格差是正と気候変動への対策 斎藤幸平（大阪市立大学大学院准教授）
1.新型コロナウイルス禍は、格差の拡大に拍車をかけた。雇用の調整弁とされる派遣社員など、非正規雇用を中心に多くの労働者が職を失い、困窮に陥った。コロナ禍以上に深刻な被害をもたらし、さらに多くの弱者を困窮させるのが気候変動だ。今年もドイツで洪水が起こり、山火事はトルコ、ギリシャ、米カルフォルニアと世界中で発生している。
2.今後は食糧危機、水不足に伴う難民化など自然的・人為的要因が絡み世界中で混乱が起こるだろう。今回の新型コロナ禍は、「気候危機の時代のリハーサル」にすぎず、人類は慢性的な緊急事態に突入する。
（参考：「週刊東洋経済」2021年11月6日号）