
1. AIによる劇的変化が叫ばれる中、「トランスフォーメーション「という言葉を聞かない日はない。特に米シリコンバレー流の「ラジカルな組織変革」こそ唯一の正解であり、プラットフォーム型やサブスクリプション型へ一気に移行できない企業は淘汰される、といった焦燥感に日本企業は取りつかれている。
2.ここで再考すべきは、変革の「歩法」である。シリコンバレー流の破壊的イノベーションだけが答えではない。むしろ既存の強みを生かしながら「気がつけば大きく変わっていた」というインクリメンタル(漸進的)な変革こそが、日本企業の土壌に向いているのではないか。その好例がソニーグループと総合商社である。
3.現在のソニーの躍進を支えているのは、過去の失敗に学びながらも、やるべきことを粛々と実行する「継続モデル」への執念である。現在のソニーは、法人向け半導体事業においても、画像センサーにAIを組み合わせた継続利用型サービスを展開するなど、至る所に継続モデルを埋め込んでいる。総合商社は、1990 年代の冬の時代から「出資」というカードを切って事業投資会社への転換を図った。川上の資源権益と川下の小売・サービス業への投資で、安定的に太い商流を確保した。
(参考:「週刊東洋経済」2026 年7 月11 日)