このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
重要性が増す人文学(学び直し) 深井 龍之介(COTEN代表)
1.ベンチャーが人や資金を集めるには、ビジョンやミッション、パーパスなどを表現される哲学がしっかりしていなければならない。だが、私が関わったベンチャー企業のメンバーは全員 30 歳以下で、二十数年生きただけの人生観でいくら考えても大した哲学は生み出されなかった。 二千数百年の人文知には絶対的に勝てない。だから、偉人たちの人文知を踏まえるのが重要だと思った。 2.例えばビジョンを語るには、ウェルビーイングや幸せについて考える必要がある。このときたかだか二十数年ぐらいの人生経験だけで考えると、アリストテレスの「ニコマコス倫理学」や陽明学(儒教)の「知行合一」や「致良知」といった概念、仏教の教えなどまで知ったうえで考えるのでは明らかに知性レベルが違う。
(参考:「週刊東洋経済」2022 年 10 月 22 日号)