耳より情報2023年5月 No.395

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

「組み合わせ」と「模倣」の技術を磨く 井上 達彦(早稲田大学商学学術院教授) 

1.ビジネスモデルをつくる方法は3 つある。SWOT分析から事業コンセプトを描く戦略分析、現場観察や顧客のインタビューをベースに行う顧客洞察。そして異業種の先進的な事例のパターンを模倣する「パターン適合」だ。パターン適合には、ほかの世界からよりよいものを持ってきて自社に移植する「模倣」のほかに、既存の仕組みを「組み合わせる」方法がある。 

2.模倣には「単なるまね」というネガティブな印象を受けるかもしれないが、偉大な会社のビジネスは、創造的な模倣によって生み出されている。例えばトヨタ生産方式は米国のスーパーマーケットの仕組みを応用している。セブン&アイ・ホールディングスは米国のコンビニの仕組みを日本に導入する中で、オリジナルのコンビニを超えた。まさに「青は藍より出でて藍より青し」だ。 

3.いずれも表面をまねた、うわべだけの模倣ではなく、もっと深い仕組みに目を向けた結果だ。こうしたよい模倣と、イノベーションに必要な能力はかなり共通している。組み合わせや模倣の技術を磨くには、自分を分析し、描象化することが大切だ。描象化と具体化を何度も往復することで、どこの業界でも成り立つ、もうけの仕組みや戦略が見えてくるだろう。

(参考:「週刊東洋経済」2023 年2 月25 日)

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