
1. 技術はばっちりだが商売に戦略がない。10 年ほど前のフジクラは日本のメーカーが行き詰まる典型的なパターンに陥っていた。何をやり、何をやらないか、という戦略的な意思決定ができず、色々な所で局地的な消耗戦を繰り広げていた。それが岡田社長の経営で劇的に変わった。フジクラの変化は「会社は経営者次第だ」を示す重要事例だ。
2. 戦略の中核は製品そのものではなく、「一番市場が伸びているインドや中国は狙わないこと」。フジクラは自社の商品の価値を最も享受できる、北米や欧州というケーブル敷設の人件費が高い地域の顧客に特化した。データセンター需要という追い風はあったが、戦略がはっきりしていたから追い風を強力につかむことができた。「戦略は先、頑張るのは後、追い風はさらにその後」が経営の王道だ。
3. 日本企業は「自社の岡田社長」をしっかりと探すべきだ。他の企業にも同氏のように戦略的な意思決定ができる人材はいるはずだ。業績が上がらず将来に暗澹(あんたん)としている経営者は、次の経営を誰に託すのかを見直してみるべきだ。
(参考:「日経ビジネス」2026 年2 月23 号)