
1. 私の師匠は堀澤祖門老師、97 歳の現在も過去を振り返らず常に前を向いて、いまを真剣に生きておられる。師匠にそこまで真摯(しんし)に何十年も向き合い続けるのはなぜかと聞いたところ、次のように説き諭(さと)してくれました。
2. 「1 年やったくらいで成果が出るものではない。10年単位でもってようやく一歩成長する。しかも、単に漠然とやるだけではダメで、自分の人生のすべてを懸ける位の気迫で坐禅をやり切る。それを一日も休まずに10 年間毎日続ければ、人間は必ず変わる」。
3. 生きていく上で地位や名誉、お金なども大切ですが、それ以上に大切なものは一歩でも半歩でも成長していくことだと思います。そのためには明確な目標、めざすものを持つことが大切です。仏教では「初発心時(しょほっしんじ)、便成正覚(べんじょうしょうがく)」といい、これは初めて悟りの心を発した瞬間に完全な悟りを成ずるという意味です。人は結果を気にしますが、結果より過程、過程より最初の動機が大切であり、その最初の動機が純粋で利他であればあるほど、その心が堅固であればあるほど、速やかに成就するものです。
(参考:「致知」2026 年9 月号)