
1.人生において「めざすものを持つ」ことは大事である。めざすものを持たないと、人生の万変(ばんぺん)に振り回され、自分を見失うからである。歴史に名を残した人は皆、めざすものを持って人生を歩んでいたことが、その残した言葉からわかる。
2.幕末の大儒、佐藤一斎はこんな言葉を残している。「凡(およ)そ事を作(な)すには、須(すべから)く天に事(つか)うるの心あるを要す」。大事を作す時は天に仕(つか)えるような気持ちでしなければならない、ということである。時代を問わず、めざしたい心意気である。
3.西郷隆盛もこんな言葉を残している。「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして己を尽くし、人を咎(とが)めず、我が誠の足らざるを尋(たず)ぬべし」。常に天を相手に仕事をし、物事がうまくいかない時は自分の誠が足りなかったからではないかと自分に尋ねよ、というのである。西郷はこれを実践することで、己を磨いたのだろう。めざすものが人格を創ることを、この西郷の言葉は教えている。
(参考:「致知」2026 年9 月号)