No.1053 共働きの時代 日本企業はどう向き合うべきか   藤野敦子(京都産業大学現代社会学部教授) 

 

1.海外の研究では、仕事の都合で夫婦が別居することは、本来持ちたかった希望の子供数を満たさない方向に作用することもわかっている。これは、少子化が進む日本の課題とも直結している。 

2. 実は従来の転勤族だけに目を向けると、その人たちの世界はそれなりに回っていたところもある。父親は仕事に専念し、母親は社宅コミュニティで子供を育てる。かつての日本で、昇格や収入増に結びつく転勤はむしろ出生意欲を安定させ、標準的な子供数を持つに至っていた。 

3. しかし、そこに女性活躍、女性のキャリア形成、男女を含めたワークライフバランスなどの要素が加わると途端に混乱し、行き詰まる。資本主義の中では、どうしても経済優先、仕事優先という価値観が強くなる。しかし仕事を優先することが得だと皆が考えると、人口減少に歯止めがかからず経済の状況はかえって悪くなる。個々人の生活を大切にしなければ、「優先すべき経済」もダメになっていく。 

(参考:「日経ビジネス」2026 年6 月22 日号) 

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