
1. 英国の経済学者アダム・スミスが250 年前に出版した『国富論』。自由競争の結果として生産性が高まるとする「神の見えざる手」が有名ですが、冒頭では分業の効果についてページを割いています。当時は第1 次産業革命のまっただなか。機械化が進む中で、業務を細分化し役割を分担することの意味を説きました。機械に任せるところは任せ、工程ごとに分けて労働者を配置することが工場全体の効率を高めていくとの考えです。
2. AI による産業革命ではどうか。既存の組織・人間の仕事をAi が奪うというよりも、新たな分業に向けた転換が始まっているとみるべきでしょう。ただ経営者の頭を悩ませるのは、どう分業すべきか、どのようなペースで移行すべきかが見えないことです。かといって、完全そうなルートは永遠に見えないか、もし見えたとしてもそれから動き始めてはもう遅い。AI との分業体制で、我々は何をなすべき存在か。経営者の仮説力が問われています。
(参考:日経ビジネス」2026 年7 月6 日号)