- 2024年7月21日
欧米と日本の成長に差がついた原因 名和高司(京都先端科学大学教授)
1.円安に株高、インフレと、これまでと正反対のいい風が吹いていることは確かです。ただ、変わっていない企業は、今の追い風がやむと厳しくなるでしょう。欧米企業は、先に未来を見据えて、そこからバックキャストする演繹(えんえき)型の思考が得意です。一方、日本企業は現場・現物・現実の三現主義で、足元から今の延長線上で帰納的に思考する傾向が強い。 2.演繹型の思考は、創造的破壊で次々に新陳代謝をすることをい […]
1.円安に株高、インフレと、これまでと正反対のいい風が吹いていることは確かです。ただ、変わっていない企業は、今の追い風がやむと厳しくなるでしょう。欧米企業は、先に未来を見据えて、そこからバックキャストする演繹(えんえき)型の思考が得意です。一方、日本企業は現場・現物・現実の三現主義で、足元から今の延長線上で帰納的に思考する傾向が強い。 2.演繹型の思考は、創造的破壊で次々に新陳代謝をすることをい […]
1.『論語』の「己を克(せ)めて礼に復(か)える」という言葉は、他者を責める前に、自らの不徳を自省して礼節を失わぬ慎(つつし)みのこころと思うが、お互いに引くことを知らぬ正義の争いは、時に災いの種となり世の中を乱す原因ともなる。また、礼節とは人間相互だけはなく、私共の生きる地球や自然に対しても持つべきものである。 2.このことは私共の日常生活においても留意しておくべきであろう。私共はい […]
1.金利は資本主義経済が機能するかどうかの根本です。効率性という尺度で資源配分する際に、効率を判断するベースとなるのが金利だからです。しかし、金利がゼロだと、企業経営者には投資判断する基準がなく、銀行も融資の是非がよく分からない。日本は経済が回る基準がないまま、規律が働かない状況が続いていたのです。 2.この30 年余りの経済政策は、金利をゼロにして積極財政で経済を回復させるものでした […]
1.誘われるだけで「おかげ様」と感じられる場所が、私たちの身近にある先祖のお墓です。お盆や彼岸(ひがん)に墓参りをして手を合わせると、自然と「ありがたい」という気持ちが湧いてくるものです。 2.お墓に行けない場合は、先祖や先に旅立った親族を思い、合掌するだけでいいのです。「おかげ様」の気持ちは彼岸に届き、あなたを癒(い)やします。 (参考:名取芳彦監修「空海 道を照らす言葉」):河出書房新社&n […]
1.初任給の引き上げが各社から相次いで発表される中、初任給に固定残業代を含めていることに対し波紋を呼んでいる。例えば、①TOKYO BASE(固定残業時間80 時間、初任給40 万円)②サイバーエージュント(同80 時間、42 万円)③楽天グループ(同40 時間、30 万円)④GMO インターネットグループ(同40時間、59 万1675 円)等である。 2.固定残業制は長時間労働の温床 […]
1.企業における不祥事の多くは内部告発によって発覚する。2004 年に、刑事罰や過料の対象となる法令違反について、内部または外部に通報した従業員を、解雇などの不利益な取り扱いから保護する「公益通報者保護法」が制定された。 2.20 年6 月に改正された公益通報者保護法では、従業員数が300 人を超える企業に対して、通報窓口の設置や適切に対応するための人員や体制の整備などが義務付けられた […]
1. 昨年11 月末に内閣官房と公正取引委員会が公表した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」がある。同指針では、発注者などが採るべき行動として12 項目が明記されたが、とくに重要な3つの項目を取り上げる。1 つ目は「下請けの労務費上昇分の取引価格への転嫁を受け入れることについて具体的に発注者の側の経営トップが関与すること」。本来、発注企業の購買担当者は「安く買いたたく」のが出世への道 […]
1. 皆が仕事にいそしみ、社会を支えているからこそ、私たちは快適な生活を維持できます。さらに、家庭や友人の存在、命を与えてくれる動植物、そして自然の存在がなければ、人間は一日たりとも生きていけません。 2. このように考えると、さまざまな縁で守られていると実感できるはずです。与えられたものに気づき「おかげ様」といえる人生は、それだけで幸福といえるのです。 (参考:名取芳彦監修「空海 道 […]
1.人事院の2022 年度分民間給与実態統計調査によると、転勤制度を設ける企業は46.2%、従業員500 人以上の企業では77.7%に上る。対象は30代・40 代が中心だ。しかし、近年ではほぼすべての年代で、転勤をやむをえないと考える人は減少している。従業員が転勤を拒否する理由として、①配偶者も仕事をしていること②子育て③親の介護④新しい土地への適応の4 点が、ほぼすべての年代に共通する。&nbs […]
1.世が乱れてくると、精神的な支柱になるものが求められますが、それは偏った思想ではなく普遍性がなくてはいけません。『論語』はまさしくそういう訓言の宝庫といえますが、極端に言えばこれは孔子一人の思想ではなく、歴史の中で培われてきた普遍性のある教えがベースにあるともいえます。そういう基本になる考え方がしっかりないと、乱れた世の中を正すことはできないと思います。 2.日本はこれまで平和でした […]