耳より情報2021年7月 No.49

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

礼・義・廉・恥の倫理・道徳に立ち返る 數土文夫(JFEホールディングス名誉顧問)

1.この頃、日本人から旺盛なエネルギーが感じられなくなったことに、私は強い危機感を抱いています。そこで、先賢の英知に照らして現状打開のヒントを探ってみましょう。今から2500年以上前の中国春秋時代に管仲(かんちゅう)(管子かんし)がいました。管仲の目的は、倫理・道徳で意識の高い国家・世界を構築することでした。
2.管仲は、次のように説いています。「国に四維(しい)あり。一維絶ゆれば則ち傾き、二維絶ゆれば則ち危(あやうく)、三維絶ゆれば則ち覆(くつがえり)、四維絶ゆれば則ち滅ぶ」「何をか四維と謂う。一に曰(いわ)く礼、二に曰く義、三に曰く廉(れん)、四に曰く恥」。四維とは国を四方から引っ張って支える四本の綱であり、これを失えば国が滅ぶと説いています。そして礼・義・廉・恥の四本の綱について次に解説しています。
3.第一の礼は、節度を守ること。第二の義は、自己宣伝をしないこと。第三の廉は、自己の過ちを隠さないこと。第四の恥は、他人の悪事に引きずられないこと。そして国家ばかりでなく、地域も企業も個人も、四維の有無が盛衰を決めることを心に刻まなければなりません。人類はいま、格差の拡大や気候変動など、世界の存亡に関わる諸問題に直面しています。いまこそ、礼・義・廉・恥に代表される人間の倫理・道徳に立ち返ることが重要です。

(参考:「致知」2021年7月号)

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