耳より情報2022年3月 No.185

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

事業経営に必須の条件(渋沢栄一) 井上潤(渋沢資料館館長)

渋沢栄一が晩年に語った「事業経営に必須の条件」は次の四つの内容です。
1.事業を営む、立ち上げる際は、自分の力だけで進むのは困難であって、必ず周囲の事情を察知し、よくこれに適応するようにしなければならない。特に経済界の中心を担う者は、周囲の関連する諸種の事態、経済全体を見渡すことが必要である。
2.事業経営においてはすべて無駄のないよう、二重の手数をかけないようにしなければならない。目に見えない小さな無駄でも、それが度重なると非常な損失になってしまう。渋沢は、日々の細かいミスを見逃すことで、それを挽回するために大きな労力がかかってしまうことを戒めています。
3.計画した事業に世の人々が求める公益性があるかどうかを考えること。その上で、資本が確実に得られるかどうか、首脳として全責任を任せられる信頼に足る人材がいるかどうか、計画・予算が長期的展望を持ったものになっているのかどうか、そして、時宜に適っているかどうか、それらをしっかり見定めた上で、事業に着手することが大事だと言っています。
4.立ち上がった事業がそのまま順調に進むことはまずあり得ない。だからこそ、事業に携わる者には、いかに苦境にあっても、どこまでもこれをやり抜くという「絶大なる忍耐力」が必要である。また事業が持続的に発展していくため、社員が物質的・精神的に安心できる環境の必要性を説いている。

(参考:「致知」2022年3月号)

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