
1.シニアが持つスキルや経験に高い付加価値があること、もっと端的に言えば「カネになる」ことを会社が示せれば、局面は変わるだろう。実際、こうした仕組みを構築し、シニアの心に火を付けるのに奏功している企業もある。情報システムや空調設備工事などを手掛ける老舗商社、三谷産業だ。定年後は3 つの人材区分を設けて役割に応じて処遇している。「熟達者1」は、単純作業に従事する人材。「熟達者Ⅱ」は、定年前または定年時の業務を継続する人材。「熟達者Ⅲ」は、専門性を発揮する人材。
2.2021年には60歳定年時に支給する退職金とは別に、定年後に積み立てたポイントに応じて雇用終了後に受け取れる「第二退職金制度」を導入した。25年に同社は労働時間の約10%を自部門以外の業務に充てることができる「10%キャリア制度」を導入した。過去に培った知見をシニアに発揮してもらえば、会社全体が活性化するはずだ。
3.出来高払いオプション制度を活用して稼ぐシニアは現在5人。その内の一人で68歳の谷昌敏氏は、人事本部でキャリアアドバイザーとして社員の相談に乗りながら、空調部門の仕事定義書の整備や、若手社員向けの教育動画の作成支援などを手掛けている。
(参考:「日経ビジネス」2026 年6 月1 日号)