耳より情報2023年10月 No.484

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

「人皆、人に忍びざるの心有り」『孟子』 田口 佳史(東洋思想研究家) 

1.「性善説」は孟子(もうし)の最も根幹を為す論説ですが、人間は善なる者とするその根拠はと問われれば、この名言が出てきます。孟子は次のように言います。「人には皆『忍びざる心』、要するに他人の不幸や命の危機を平気で見ている、あるいは見て見ぬふりをすることには耐えられない心がある」。人間に生まれてきた者には、人間の証(あかし)として『忍びざる心』があるといいます。 

2.これに対して荀子(じゅんし)は、「性悪説」を説きました。荀子の言う「性悪説」は、人間には自分を律する自律力が無いというのです。ではどうしたらよいのか。そこで出てくるのが他動的に、律すること。つまり「礼」をもって秩序を正していくことなどを主張しました。荀子の弟子の韓(かん)非子(ぴし)になると「法」により人間を律することが確立されます。「法家思想」です。

(参考:「致知」2023 年10 月号) 

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