商工中金再生、社員の志を呼び覚ませ  関根正裕(商工組合中央金庫社長) 

1.不正の根本原因は4つあります。上意下達の風通しの悪さという「組織風土」の問題に加えて、「同質性の高さ」、「隠ぺい体質」、業績至上主義の「マネジメント」に問題がありました。この4 つが重なると不正の温床になります。そこを根本的に直せば、まず間違いなく再生できるのです。不正事案の中に横領は皆無でした。つまり商工中金の不正は、真面目な社員が追い込まれてやってしまったものでした。 

2.まず、改革の1 丁目としてノルマを廃止しました。本部から営業店への目標の割り振りもなくし、自主計画にしたのです。「言われたことをいかにやるか」という行動原理を、真逆にしました。組織の考え方も変えました。今まで社長が頂点のピラミッド形だったのを、一番上がお客様、営業店、本部、経営層、一番下に社長という逆三角形にしました。どう生き生きと働いてもらうか、社員に対するリスペクトが大事です。 

(参考:「日経ビジネス」2024 年2 月19 日号)

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