耳より情報2021年6月 No.33

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

日本人の足下にある泉、これは古典である 宮崎正弘(評論家)

1.いまの日本人の足下にある泉とは何であろうか。私は古典だと思う。古典に親しむことで日本人とは何か、日本人としていかに生きるべきかを考え、自分の本当の価値を発見した人は、周囲の雑音をはね除け、己の道を信念を持って歩んでいけるようになるだろう。
2.ありがたいことに、我が国には、「古事記」「日本書紀」「竹取物語」「古今和歌集」「源氏物語」等々、千年の風説に耐えて読み継がれてきた尊い古典がある。泡沫ほうまつのように浮かんでは消えるその場限りの言葉に振り回されることなく、先人たちが遺してくれた大切な贈り物である古典に照らして己を深く見つめることによって、かけがえない泉を発見することができるはずである。
3.自分の運命というものは神が定めるものでもなければ、他人に指し示してもらうものでもない。自分自身で切り拓いていくものである。このコロナ禍で、先の見えずらいいまだからこそ、一人でも多くの日本人が己の足下を掘る生き方を実践し、自分の真の価値を発見することを期待したい。そうして一人ひとりが主体的に歩んでいくことによって、日本の豊かな未来が切り拓かれていくことを、私は願ってやまない。


(参考:「致知」2021年6月号)

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